今日は、山田ズーニー 著の「伝わる・揺さぶる!文章を書く」という本をご紹介します。
著者の山田ズーニーさんは進研ゼミで小論文通信教育のプロデュースをされていた方です。失礼ですけどおもしろいお名前なので調べてみたら、ズーニーとはカシミール語で「月」という意味なんだそうです。(出典:Wikipedia)
この本はタイトルの通り、どうやって伝えたいことを読み手にきちんと伝え、さらに読み手の気持ちを動かすか、というテーマについて書かれた本です。これから文章力をつけていきたいと思っていた折、ネットでの評判がよかったので読んでみました。 文章術についてのみ書かれた本かと思いきや、書かれていることはとても深いです。
書き出しには、
書くことは考えることだ。だから、書くために必要なことを、自分の頭で考える方法がわかれば、文章力は格段に進歩する。
とあります。この本の論点は、書く技術だけでなく、どうやって考えるかにも及んでいます。
文章には様々な種類があります。文学の世界に始まり、新聞・雑誌などの記事、メールや単なるメモ書きなど。この本が目指すゴールは、「鑑賞ではなく、機能する文章」だと言います。機能する文章とは、自分の書いた文章で読み手の気持ちを動かし、望む結果を出すための文章のこと。学校教育ではこの観点が抜け落ちていると。
なるほど、確かにメールの書き方や手紙の書き方なんて学校で習わなかったなぁ。その代わり、会社に入ってからはメールの書き方を嫌というほど指導されました。メールの重要性が高まっている昨今、そうやって育ててくれた先輩にはとても感謝しています。仕事をしていて要領を得ないメールを見かけることがありますが、あまり考えずに言いたいことだけを流れてまかせて書くと、相手を悩ませるんですよね。気をつけたいものです。
こうやって書くとなんだか小難しそうですが、さすが文章のプロだけあって、とても読みやすいです。構成も前半は理論、後半は実例をあげて実戦的な解説が書いてあります。機能するいい文章を書く必要がある方におすすめの一冊です。
最後まで読んでふと、人に読んでもらう文章とはコミュニケーションそのものなんだな、と改めて思いました。自分の主張は貫きつつ、読み手のこともきちんと考える。難しいですが、精進していきたいと思います。