あなたの人生には使命がある

今日は、アルフォンソ・リナーレス・フェルナンデス 著の「あなたの人生には使命がある」という本をご紹介したいと思います。あとがきによると、著者は南米ベネズエラに住むネット事業家で、プロの書き手ではないそうです。しかし、その主張はシンプルでとてもわかりやすく、とてもいい本に出会えたと思っています。

本書の最大の主張はタイトルに言い尽くされています。著者は、妹さんの死をきっかけに今までの人生を振り返り、自己探求の果てに「誰の人生にも使命がある」という考えてに至ったそうです。使命と聞くと漠然としていますが、「生きる目的」や「存在意義」と置き換えてもいいですね。

ではそれは一体どのようなものなのでしょうか。様々な考察を経て著者が出した結論はこうです。

人生に託された「使命」とは、「情熱」に駆られ、みずからの「才能」を生かし、世の中に最大限の「善」を施すこと。

著者の思考の過程は本書に詳しく解説されているので読んで頂ければいいのですが、この定義には本当に共感します。「情熱」+「才能」+「善」が使命だと言っているのですが、つまりはこういうことだと思います。

  1. 自分が情熱を持てることをやりなさい
  2. 自らが持つ才能を生かしなさい
  3. 世の中に対して貢献しなさい

どれか一つを満たすものが使命なのではなく、上記三つを全て満たすものが使命、つまり僕たちがやるべきことだということです。三つ全てを同時に考えるのはなかなか難しいので、それぞれ別々に考えていくといいと思います。

まずは自分がやりたいことについて。仕事を選ぶとき、「自分が何をやりたいのかわからない」という話を聞くことがあります。でもよくよく聞いていると、現実的な選択肢の中に自分のやりたいことがない、ってだけだったりします。この「現実的な選択肢」ってのが曲者で、制約を一旦無くすと、目を輝かせて好きなことを語り出したりするんですよね。

自分がやりたいこと、そのものずばりの仕事に就くのは難しいかも知れません。リスクを取って一歩踏み出す人もいますが、そんなリスクは取れない、という人も是非「自分はなぜそれがやりたいのか」を深く追求してみて欲しいと思います。

やりたいことの本質に気がつくと、その実現方法が一つではないことに気が付きます。つまり、自分がすぐ思いつく「仕事のリスト」から選ぶのではなく、自分がやりたいことに少しでも関わっていそうなことを探したり、作り出したりするという選択肢もあるということを覚えておくといいかも知れません。

次に才能について。僕たちは遺伝や育った環境の影響を受ける以上、個性ってやっぱりありますよね。その意味で不得意なことよりも得意なことをやった方がいい、というのはその通りだと思います。でも、才能を個性と考えれば、才能がない人なんていません。自分の才能をしっかり認識し、制限する方向ではなく、活かす方向で考えたいですね。

「何も特筆すべきスキルがない」という意味で「自分には何の才能もない」と言う人がいますが、それは自分の特性を把握していないか、それを活かす方法がまだ見つかっていないだけだと思いますよ。自分の武器は何なのか、棚卸して見ましょう!

そして最後に貢献です。貢献と言っても、ボランティアをやれということではありません。情熱と才能を使って誰の為に何をするのか?ということです。貢献というとちょっとハードルが高いですが、基本的には仕事をしていれば(ビジネスだけに限らず、家事だって育児だってそうです)誰かに何らかの形で役に立っていますよね。

ただ、ここで言いたいのは、自分の情熱と才能を最大限に活用し、「誰に」「何を」貢献するのかを意識すれば、さらに多くの貢献ができるのではないか、ということだと思います。人の欲求は突き詰めていくと貢献欲求になるとも言われています。確かに、誰かの役に立ったと思った時はとても気分がいいですよね。

才能を活かしてやりたいことをやり、その結果誰かの役に立つ。それを使命と呼ぶなら、僕は是非自分の使命を見つけて全うしたいと思います。僕の個人的な意見も沢山書いてしまいましたが、とてもよい本なのでオススメです!

オーダーメイド枕が届きました!

先日、注文していたオーダーメイド枕が届きました。

皆さんは枕、気にしていますか?枕が変わると眠れないという人もいるみたいですが、僕は今まであまり気にしたことがありませんでした。が、最近寝違えて首が回らなくなったり、肩こりがひどかったりしていたのを彼女が気にかけてくれていて、「良さそうなのを見つけた!」と紹介してくれたのが「山田朱織枕研究所」です。

整形外科の先生が開発した枕らしいのですが、最適な枕は人によってそれぞれ異なる、というのがコンセプトなので、必然的にオーダーメイドになります。購入するにはまず測定に行き、それから注文となるのですが、人気があるらしく測定の予約がなかなか取れないのだそうです。僕の場合は3カ月待ちくらいだったでしょうか?先月末に相模原まで測定に行き、先日ようやく届きました。今日の夜から使い始めます。

ホームページを見ると、枕調整が必要な5大症状として、「首の病気」「四十肩・五十肩」「骨粗しょう症」「頭痛」「不眠・無気力・うつ病」などが紹介されています。僕は頭痛持ちなのと、たまに不眠に悩まされることがあるので、どう改善するのか楽しみです!

さてこの枕。中を開けてみるとウレタンの薄い板状のものが何層にも積み重なっています。これを何枚、どのような順番でどう組み合わせるかによって、高さや柔らかさを調節するようですね。しばらく寝てみてやっぱり合わない、という場合はアフターサポートを受けることができるみたいです。高さ調節用のウレタンシートも一枚付いてきました。

測定はベットで実際に寝ながら、枕診断士の方と一緒に行います。高さを色々と変えながら、呼吸が苦しくないかとか、寝返りがスムーズに打てるか、などをチェックしていきます。僕は「寝返りがスムーズに打てているか」という感覚がよくわからず判断が難しかったので、診断士の方に良さそうな高さをお奨めしてもらいました。

ある程度この組み合わせかな?というのが決まったら、「では実際に15分ほど寝てみましょう」と言われます。「え、寝るの!?」って感じでしたが、言われるがまま15分ほど横になってみました。実際に寝てみないと合っているかわかりにくいので、寝た後で最終調整をするみたいです。僕はちょっと高すぎるような気がしてきたので少し低くしてもらいました。

ちなみに、枕を買わなくても座布団とタオルがあれば代用はできるみたいですよ。座布団の上にタオルを重ねて置き、横向きに寝た時に体と首が一直線になるようにタオルの高さを調節すればいいようです。

さて、この山田朱織枕研究所。東京の有楽町にも出張所ができたようですね。ただ、有楽町の方が値段が一万円以上高いので、時間のある方は相模原の方に行かれた方がいいと思います。ただ、予約しても結構待つと思いますので気長に待ちましょう。

価格は測定費と枕代で23,100円(税込)でした。決して安い金額ではないですが、一日の1/3くらいを睡眠に費やしている以上、その質は重要です。睡眠の質が上がれば、起きている時間もイキイキしてくるはず。そう思えば、安いものではないでしょうか。しばらく試してみて、またレポートしてみたいと思います。

ネイティブアメリカンの言葉(解釈編)

以前に「ネイティブアメリカンの言葉」という記事を書きました。Webで見つけた文章なのですが、今日はその文章を僕なりにどう解釈したかを書きたいと思います。

全ての人間は、生きる目的と進むべき方向を持っている。それは、私たちがこの世に生を受ける時、私たちの心に刻まれるものだ。

生まれる時から運命は決まっている、と取れなくもないですが、そのような運命論は「生まれた時から全て決まっているのなら努力しても無駄」という考えを生みやすいのであまり好きではありません。そうではなく、進みやすい方向というのが予め決まっている(才能、適正など)と解釈しました。僕たちは少なからず遺伝の影響を受けている以上、これは真実だと思います。

そして「生きる目的」についてですが、元々あるものなのか、それとも自分で創り出すのかはあまり重要ではないと考えています。僕個人はどちらかと言えば全人類に普遍的な目的などない(強いて言えば生存して遺伝子を残すという動物的な目的でしょうか)と思っています。でも本当に大事なのは、今自分が何のために生きているのかを自分なりに認識できているかどうかだと思います。

さらに、私たちはその目的や方向を見つけるための誘導装置へアクセスすることができる。私たちはその誘導装置を理解する必要がある。それは直観、内なる声、衝動、洞察力または感覚などとも呼ばれている。

生きる目的や方向などというタイソウなものは、そうそう見つかるものではないと思います。僕もまだまだボンヤリしています。日々色々なことに追われていると、そんな事を考える暇もなく毎日が過ぎていってしまいますよね。でも、自分と向き合って、この先どうなりたいのか、何をしたいのかをじっくり考えることも大事だと思います。その時に耳を傾ける、自分の内なる声のようなものを直観(ここで言う誘導装置)と呼ぶのではないかと思います。

ひとたび目的と方向を突きとめたなら、私たちは個性的なスキル、才能や能力を与えられる。そのために、毎日神と共に祈り、瞑想しなければならない。

僕は無宗教なので神様がいるのかどうかはよくわかりませんが、自分の進むべき方向性や生きる目的がもしはっきりとわかったなら、それはものすごい力を発揮できると思います。祈り、瞑想は前述の通り自己の対話、という風に解釈しています。

そして、僕が最も気に入っているフレーズが下記です。

強く、自信を持って生きるために、常に以下の3つの質問に答えられなくてはならない。

  • 何故私は存在しているのか?
  • 私は誰なのか?
  • 私は何処に向かっているのか?

もしこの3つの質問に答えられるなら、あなたは大丈夫だ!

まず一つ目。なぜ私は存在しているのか?これは自分の存在意義や生きる目的を問う質問です。使命やミッションと言ってもいいかも知れませんね。そして二つ目。私は誰なのか?これは自分が自分である所以、つまりアイデンティティのことです。最後。私は何処に向かっているのか?自分や自分の環境がこの先どうなっていくかの未来像、つまりビジョンのことだと思います。

纏めてみると、

  • 自分の存在意義(使命・ミッション)
  • アイデンティティ
  • ビジョン

がきちんとわかっていればあなたは大丈夫だよ!ということなのだと思います。ではどれも難問であるこれらの質問にどう答えればいいのでしょうか。

まず、アイデンティティを確立するということは、自分のことを語るストーリーを持っているということです。そのためには自分のことを良くわかっている必要がありますよね。アイデンティティが崩壊した状態で、存在意義や将来のビジョンなんて考えられません。というわけで、最初に固めるべきはアイデンティティな気がします。

次は存在意義かビジョンか。グロービス・マネジメント・スクールMBA用語集によれば、ビジョンとは『経営理念で規定された経営姿勢や存在意義に基づき、ある時点までに「こうなっていたい」と考える到達点』とあります。この定義ではビジネスに限っていますが、一般化して考えることもできます。もしビジョンが存在意義に基づくのだとしたら、存在意義を認識していない状態でビジョンを描くことはできません。

というわけで、僕はアイデンティティ→存在意義→ビジョン、という順に考えていけばいいと思っています。そうは言っても、それぞれ一朝一夕で答えが出るような問題ではありませんが、まずは「私は誰なのか?」に答えられるよう、自己分析や自己との対話から始めてみては如何でしょうか。

「アイデンティティ」「存在意義」「ビジョン」については、僕自身とても関心が深い分野なので、今後も関連したトピックをどんどん記事にしたいと思っています!

ソース・セルフ・スタディ・キット

以前のエントリで、「ソース―あなたの人生の源はワクワクすることにある。」という本を紹介しました。その時にも少し書きましたが、書籍の内容をさらに深めて教材にしたセルフ・スタディ・キットというものが存在します。僕はそちらの方もやってみましたので、今日はその感想を書いてみたいと思います。

セルフ・スタディ・キットは、CDによるガイダンスを聞きながらワークブックに書き込んでいくという形式で進んでいきます。ワークブックのページ数は(解説込みですが)250ページ程度、CDは本編が7枚。結構な分量があります。僕は結構頑張ってやって一週間程度かかりました。

一枚目のCDをセットしていざ始めようとすると、何やらスピーカーから眠くなりそうな声が聞こえてきます。ナビゲーションCDに入っている声は出版元であるVOICE出版の社長、喜多見龍一さんの声。何でも、オリジナル「ソース」の開発者であるマイク・マクマナスという人は既に亡くなっていて、その遺志を継いで日本バージョンを作ったのがこの人みたいです。

前置きはさておき、内容です。第1部は心構えなどの説明なのでサクサク進みます。心構えの中で強調されていたのは、とにかく自分のペースで構わないので楽しく続けること。つらくて気が進まなくなったらしばらく休むなりして、新しい気持ちでまた始めてくださいとのことでした。気が楽になった半面、そんなに大変なんだ…と覚悟を決めた瞬間でもありました。

ひとたび第2部に入ると、怒涛のようにワークが続きます。用意された質問に対して、自分の過去から未来まで思いを巡らせて、とにかく書いていきます。今まで深く考えたことがないようなことも平気で聞いてくるので、変な疲れ方をします。でも、裏を返せばそれだけ漫然と過ごしてきたということなので、いい刺激になります。

この質問攻めが終わると、そこからは書いたものをまとめていく作業。あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので書きませんが、この部分がこのプログラムの真骨頂だと思います。自分の中にある様々な要素をできるだけ沢山集めて、その中から大事なものを抽出し、精錬していくイメージでしょうか。最後に残るのは、自分が本当に価値を感じているものです。自分のことはよくわかっているつもりでしたが、改めて見せられることで多くの発見があります。それがまた、楽しくもあります。

自分が大事にしているものがわかったら、それを行動に繋げていくための行動計画を作ります。いくら価値観を明確にして、いい気分になったところで、行動が変わらなければ何も変わりませんよね。好きなことをどう生活に取り入れていくかを考えるのは、楽しいものです。ここで作った計画は、小さな一歩でも構わないので実行に移す覚悟を決めましょう。

第3部は、作った行動計画をどうやって実行に移していくかという解説で、読み物中心です。そして最後の第4部は、人間関係や仕事でどう活かすか、最後に纏めという構成です。

僕はこの教材をやってよかったと思います。自己啓発本は一時的な高揚感を提供してくれるが長続きしない、という指摘がありますが、僕はこれをやって以来色々なことを始めたり、挑戦するようになりました。このブログもその一つです。もちろんこの教材のおかげで人生がバラ色になった、なんてことはありませんが、自分を知り、自分についてよく考えるきっかけになったことは間違いありません。

ただ、これを人に奨めようとすると二つのハードルがあるんですよね。一つは、自己啓発というジャンルは人を選ぶということ。僕は特に抵抗ないですが、嫌いは人は嫌いですよね。そしてもう一つは結構大変なので気軽にお奨めできないということ。もしこの二つがクリアできるという方は、是非やってみてくださいね!

MI:個性を生かす多重知能の理論

今日ご紹介する本は、ハワード・ガードナー 著の「MI:個性を生かす多重知能の理論」です。過去のエントリでも「自分らしさ」、つまり個性のお話が出てきましたが、今日は個性を心理学・教育という観点から考えてみたいと思います。

この本はMI理論(Multiple Intelligences:多重知能)という理論を解説した本で、なかなか読みごたえのある本でした。というか、僕はかなり気合を入れないと読めませんでした。が、とてもおもしろいことが書いてあるので、ざっくりと僕なりに纏めてみます。

IQという言葉は有名ですよね。これは知能指数のことで、知能を測定する尺度です。IQが高い人は、知能が高いとされてきました。他にも、EQ(心の知能指数)、SQ(社会性の知能指数)等が一時期とても話題になりました。

本書の著者は、知能は一つではないと言います。

多くの心理学者が持っていて、われわれの言い回しのなかにもしっかり定着している信念、知能は単一の能力であり、全面的に「賢い」か「愚か」のどちらかである、という信念に挑戦したのである。

では、どんな知能が存在するのか。現時点では8つあります。「現時点で」というのは、まだ見つかっていない知能が今後見つかる可能性があるからだそうです。その8つを下記に紹介します。

  1. 言語的知能
    言葉に対する感受性、言語を学ぶ能力、言語を用いる能力
  2. 論理数学的知能
    問題を論理的・科学的に分析・究明したり、数学的操作をする能力
  3. 音楽的知能
    音楽の演奏や作曲、鑑賞のスキル
  4. 身体運動的知能
    体全体や身体部位を使う能力
  5. 空間的知能
    空間を認識する能力や、パターンについての能力(※)
    ※ 画家や彫刻家、建築家に重要な能力
  6. 対人的知能
    他人の意図や動機づけ、欲求を理解して他人とうまくやっていく能力
  7. 内省的知能
    自分自身を理解する能力
  8. 博物的知能
    様々なものを見分け、区別したり分類したりする能力

他にも候補はあるそうですが、現段階ではこれだけです。「知能」と見なすための条件も本書には記載してあるので、興味のある方は読んでみてください。

さて、これが一体何なのか?まず、人間にはこれだけの数の知能(能力、才能)が存在していて、それぞれの知能は、個人の遺伝的資質と環境によって生じるということ。そして、私たちの知能の組み合わせはそれぞれ独自である、ということ。つまり、この組み合わせが個性になるのでしょうね。

こういう話を聞くと、自分にどの知能がどれだけあるのか知りたくなりますが、それはなかなか難しそうです。これら全ての能力を簡単に測定することができないからです。また、評価できたとしても、この人は~が苦手だ、などのラベル付けをしてしまうリスクも指摘しています。

では、この理論をどんなことに活かせるのでしょうか。本書では、教育現場や企業などでMI理論をどう活かせるかが紹介されています。例えば教育。現在主流の教育方法は画一的な教育です。つまり、全ての個人は同じように扱われるべきだ、という考え方です。しかし、一旦個性を認めると、これは公平なようで公平ではありません。これを解決する方法として、「個人ごとに設計された教育」の可能性を示唆しています。

また、企業でも同じようなことが言えます。従業員には個性があり、部署・役職によって求められる能力も違う。であれば、従業員それぞれの個性をきちんと把握し、能力をどう活かすか、どう伸ばすか考えることは有益なはずです。

なんとなく言いたいことは伝わったでしょうか。もしもっと掘り下げて読んでみたい、という方は是非読んでみてください。

My Credo(マイクレド)

今日は、浜口隆則・村尾隆介 著の「My Credo(マイクレド)」をご紹介したいと思います。

僕は恥ずかしながらクレドという言葉を知らなかったのですが、調べてみたところラテン語で「信条」を意味する言葉だそうです。マイクレド、つまり自分の信条をしっかり持ちましょう、というのが本書のメインテーマです。

この本には、

  • 何故信条を持つべきなのか
  • 信条を持つとどんな良いことがあるのか
  • 信条を作るための具体的な方法

がしっかりと述べられており、とてもわかりやすいです。特に、何故信条を持つべきなのか(僕たちの生きている環境・時代背景の考察)については、本当にその通りだと思います。自由であるが故に様々な不安に溢れている今の社会で、自分の軸をしっかり持つためのヒントが沢山詰まっています。

本書の中で特に印象に残っているのは「自分らしさ」についての考察です。この言葉、よく耳にしますがなかなか曲者ですよね。というのも、甘えを正当化する言い訳になり得るからです。「自分には合わない」と言えば一見価値観の問題かのようにも思えますが、実際には「嫌だ!やりたくない!」と言っているだけだったりします。本の中に「自分らしさという保健室」という表現がありました。なるほど、おもしろいですね。

それともう一点、本の中で紹介されている「自利利他」という考え方が気に入ったので引用してみます。

自利利他の精神というと、 「人のために何か良いことをしていると、それがめぐりめぐって自分の良いことになって還ってくる。だから、人のために役に立つことをしましょう」という意味だと勘違いしている人がいますが、ちょっと違います。

自利利他とは、本当は「自らの悟りのために修行し努力することと、ほかの人の救済のために尽くすこと。この二つを共に完全に行うことを大乗の理想とする」という意味です。

つまり、「自分を高めること」と「人のお役に立つ」ということは、「同時にやらないといけませんよ」ということです。

どうしても利己主義 vs 利他主義という二項対立で考えがちですが、実はどちらも大事、というお話。これは直感的にしっくりきます。自分のことばかり考えている人間にはなりたくありませんが、かと言って常に自分を犠牲にして他人のことばかり、というのも嫌です。この二つを高い次元で両立するのは簡単ではないですが、例えば自分がやりたいことを突き詰めることによって世の中に貢献し、報酬を得るという生き方は、まさに僕の目指すところです。

本書の後半にはワークがあり、最後にまとめ的にマイクレドを作る、という流れになっています。全体を通してテンポよく進むので読みやすく、ブレない自分の軸を見つけたい方に是非読んでいただきたいオススメの一冊です。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう

本日ご紹介するのは、マーカス・バッキンガム & ドナルド・O・クリフトン 著の「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」です。

この本は自分の強みを見つけ、活かすためにはどうすればいいのか、というテーマについて書かれた本です。強みとは「常に完璧に近い成果を生み出す能力」であり、才能・知識・技術が合わさって生まれれるもの、とこの本では定義しています。その中でも大切なのは才能なのだと言います。知識や技術は後から習得可能ですが、才能は新たに作り出すことはできません。

能力の得意・不得意は脳神経細胞の結びつきの強さによって決まるのだそうです。3歳までの間は神経細胞が次々に結びつき、広範囲にわたる回路を作っていきます。しかし面白い事に、それ以降は回路を広げるのではなく捨てる方向に成長が進み、16歳になる頃には3歳の時の半分程度になります。これは、3歳までの間に遺伝と幼児期の体験に基づいて強化される回路が選別されるためなのだそうです。

つまり脳は効率の良い回路を選んで、それを強化することで成長するシステムになっているということです。それが上手くできずに必要以上の回路が生き残ってしまうと、脳は成人レベルに達しないのだそうです。さて、これが才能の正体だとすると、才能に乏しい分野(弱い回路)で頑張るより、才能がある分野(強い回路)を伸ばした方がいいような気がしてきませんか?

じゃあ、自分の才能は何なのか?気になりますよね。この本では、ストレングス・ファインダーというオンラインのツールを使って自分の才能を見つける手助けをしてくれます。この本を買うとストレングス・ファインダーにアクセスするためのIDが付いてくるので、それを使ってオンライン上で診断を行うと、自分の才能が明らかになります。

このツールは200万人に対して行ったインタビューの結果に基づいて作成されており、本書で定義された34の才能の中から、自分の才能上位5つを選び出してくれます。

参考までに僕の結果は

  • 学習欲
  • 自我
  • 個別化
  • 目標志向
  • 規律性

でした。もちろん、それぞれに説明が付いてきますが、長くなるので割愛します。僕は、どの内容にも納得できましたよ。

ちなみに「才能」というと、やりたいことを制限されているようなイメージを感じる方がいるかも知れません。でも、僕は逆だと思います。やりたいことが決まっているなら、自分の才能をその分野でどう活かせるのか、そういう発想で考えてみては如何でしょうか。

自分の強みは何?と言われても、なかなか客観的に判断するのが難しいもの。こういった本やツールを活用して自分の強みを再認識するのもいいかも知れません。興味のある方は是非やってみてください。

最後に注意点を。ストレングス・ファインダーに付いているIDの使用は一度限りなので、中古の本を買うと肝心のテストができない可能性があります。そうなるとこの本は全くといっていいほど意味をなさないので、購入される方は新品を買われることをおすすめします。

究極のとんかつの食べ方

食べ物の記事が続きます。

昨日何気なく「嵐にしやがれ」というテレビ番組を見ていたら、元バレーボール日本代表の川合俊一が出ていて、究極のとんかつの食べ方というのをやっていました。既に鶏そばを食べてお腹いっぱいだったにも関わらず、見ていたら無性にとんかつが食べたくなり、本日のお昼はとんかつを食べに行くことに決定。

どうせ食べるならおいしいとんかつを食べたいと思い、目黒のとんきというお店に行くことにしました。が、行ってみたらランチはやってなくてがっかり。後で調べたら、目黒にはとんきが二つあり、本店の他に東口店があって、そこはランチ営業しているんだそうな。

その時はとんかつ難民になりたくない一心で、じゃあどこだ!まい泉か!?となり、青山のまいせん本店に行ってきました。お店に行ってみるとお昼の2時近くだというのに20人くらいの行列。うろたえましたがさすがに昼食、回転が早く15~20分くらいで座ることができました。

やはりとんかつの醍醐味はロース!ということで茶美豚(チャーミートン)ロースかつ膳(1,680円)を注文。そして、ここで早速学んだばかりの「究極のとんかつの食べ方」を実践。

  1. いきなりとんかつを食べ始めるのではなく、キャベツから食べる。
  2. とんかつを食べ始めるときは右側の小さい方から。
  3. 右側を二切れほど食べたら、今度は左側から。最後に真ん中。
  4. 最後はご飯の量ととんかつの量を調整しながら、ちょうど食べ終わるようにする。

1.は、いきなりとんかつに着手するのではなく、キャベツから食べ始めることで肉に対するモチベーションを上げるのが目的だそう。それと、キャベツは胃腸に優しいので、これから脂っこいものを消化する胃を保護するんだそうな。確かにじらすことによって一口目のとんかつがとてもおいしく感じられました。

2.と3.は、要するに脂っこい方から先に食べる、ということのようです。右の小さい方が一番脂っこく、最後に脂の部分を食べるのはしんどいので、先に食べると。うん、これは納得。でも、とんかつを出す時の並べ方にルールがある、というのは面白いですね。

そして4.は、僕がご飯マネジメントと呼んでいるもので、おかずがなくなった時にちょうどご飯もなくなるようにバランス良く食べる、ということみたいです。今日も完璧なご飯マネジメントでしたよ!

というわけでおいしく頂いてきました。さすがに老舗の味、箸で切れるとんかつの名は伊達ではありませんでした。

皆さんも「究極のとんかつの食べ方」、機会があったら試してみてくださいね!

香妃園の鶏煮込みそば

堅い記事が続いたので、今回は食べ物の話でも。

昨日、六本木にある中華のお店「香妃園」に行ってきました。このお店は鶏煮込みそばが名物のお店です。僕が小さい頃から家族で食べに行っていたお店で、以前は六本木通り沿いにあったような気がしますが、現在は瀬里奈の向かいにあります。

ちょっと調べてみたら、創業は1963年(昭和38年)だそうです。もう50年近く経つ老舗ですね。ちなみに、現在の場所に移転したのは2001年からみたいです。そう言えば、行ってみたらお店がなくなっていてがっかりしたことがあったなぁ。その後移転を知って鶏煮込みそばを食べに行き、変わらない味に安心した思い出があります。

そして、昨日ももちろん鶏煮込みそば(1,365円)を注文しました!

あつあつの土鍋で出てきます。写真は2人前。具は鶏肉と青菜(しんとり菜という野菜だそうです)というシンプルなもの。特筆すべきはやはりスープと麺です。スープは白濁とした鶏白湯スープで、冷めてくると表面に膜が張るくらい超濃厚ですが、味付けはいたってシンプルな塩味。とてもおいしいのでどんどん飲めてしまいます。寒い時期などは体が暖まります。余談ですが、このスープを使ったカレーも名物のようです。とてもおいしかったですよ。

そして麺。鶏煮込みそばという名前の通り結構煮込んでいると思うのですが、のびたりしていないので不思議に思っていました。気になったので調べてみたところ、なんと15分も煮込むそうです!普通の麺ならドロドロになってしまうと思うのですが、普通の中華麺に使われている「かん水」を用いない特注麺を使うことで、煮崩れたりしないそうです。一般的な中華麺はかん水を使っているため黄色いのだそうですが、そういえばここの麺は真っ白でまるで太い素麺みたいです。

六本木に立ち寄った際には是非試してみてください。お店の情報を知りたい方はこちらからどうぞ。

僕は最近圧力鍋をゲットしたのでこの味を家で再現できないか試してみたいと思っています。その際はレポートしますね。