「こんなはずじゃない自分」に負けない心理学

今日は、晴香葉子 著の「『こんなはずじゃない自分』に負けない心理学」という本をご紹介したいと思います。帯には、「自信がない。居場所がない。理解してもらえない。そんな生き方不器用さん達に。」と書いてあり、本屋で思わず手にとってしまった本です。

今まで何ら関わりのなかった自分が心理学という分野に興味を持ったのは、「自己肯定感」という言葉を知ったのがきっかけでした。自分を肯定する、つまり「自分は今のままでいいんだ!」という感覚ですが、漠然と思い描いていた理想と、なかなかうまくいかない現実との狭間で苦しんでいたのでしょうね。この概念を知って以来、どうすれば「自己肯定感」を高められるのかを考えるようになりました。

「このままじゃいけない」、そう思う気持ちが前に進む力になっているうちはいいんですよね。でも、それが繰り返し打ちのめされていくうちに、「こんなに上手くいかないのは何か自分に重要な欠陥があるんじゃないか」なんて思い始めたりします。そうなると、どんどん自分が嫌いになり、自信がなくなり、人は立ちすくんでしまうのだと思います。

そんな状態にならないに越したことはありません。でも、長い人生の中、がんじがらめで前に進めなくなってしまうこと、ありますよね。そんな時にこんな本を読んでみるといいかも知れません。一つの長い話というより複数のTips的な話で構成されており、カウンセラーである著者の優しく、でもどこか力強い雰囲気に勇気づけられます。

この本の中には様々な心理学の理論が出てくるのですが、その中で僕が気に入っているものを一つご紹介します。

僕たちは、感情がある状況から直接引き起こされると思いがちですよね。例えば、ある人に批判された、それによって怒りをおぼえた、という具合に。批判されたことが「状況」、そしてそれによって怒りという「感情(結果)」が引き起こされた、となります。

しかし、本当にそうでしょうか?ABC理論では、この「状況」と「感情(結果)」の間に「思考」が存在しており、実は「感情(結果)」を引き起こしているのはその「思考」だと考えます。状況(Activating event)、思考(Belief)、結果(Consequence)の頭文字をとってABCです。

批判されたという例をもう一度見てみましょう。ABC理論で考えれば、批判されたことによって「自分を否定された」「恥をかかされた」「バカにされた」などの思考が生まれ、それによって怒りという感情が結果として生まれたと考えることができます。

自分を変えるのは簡単ではありません。そして相手を変えることや、自分の身の回りで起こることを変えるのはさらに難しいですよね。でも、思考(受け止め方)を変えることはできます。不愉快には違いありませんが、「この人は自分とは異なる価値観を示しているんだな」と思うことができれば、そこから何か学ぶことがあるかも知れません。

この考え方を突き詰めていくと、もともと世の中に起きている出来事に意味などなく、それに解釈をつけているのは僕たち自身だ、とも言えると思います。ものは考えよう、ってやつですね。何か嫌なことが起きた時、もし違う解釈で少しでも気持ちが楽になるのなら、そういう意味を勝手に「付けて」しまえばいいのかも知れませんね。

このABC理論以外にも、さまざまな考え方を簡潔に、わかりやすく紹介してくれています。自分自身のコンプレックスや人間関係で悩んでいる方に、気楽な気持で読んでいただきたい一冊です。

パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる

今日ご紹介する本は、ダニエル・ネトル 著の「パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる」です。人間の性格を研究する学問である、パーソナリティ心理学の書籍です。

皆さんは性格診断テストをやったことがありますか?質問に答えていくと、最後に「あなたは~タイプです」というように性格を診断してくれます。世の中にはお遊び程度のものから、企業の採用試験に使われるものまで、性格診断が沢山ありますね。それだけ、皆が自分の性格を客観的に知りたがっている、と考えることもできます。

この本で扱うのは、特性5因子論と呼ばれる理論で、人の性格を5つの特徴で表すというものです。ビッグファイブとも呼ばれています。心理学関連の書籍を読むと、現在のところ性格を表現するための仮説としては主流である、と書かれていたりします。

さて、余談ですが人の性格を表すときの考え方に、類型論、特性論というものがあります。類型論は、あらかじめ性格をいくつかのタイプに分類し、それに当てはめていくという考え方。科学的根拠がないと言われてはいますが血液型による性格分類なんかは、わかりやすい類型論ですね。類型論はわかりやすい半面、大雑把すぎるという限界があります。人間の性格を少数のタイプに分けることなどできない!というわけです。

一方特性論では、人間の性格を特徴づける要素を「特性」としてあらかじめ定義しておき、人がそれらをどの程度持っているか(もしくは持っていないか)、と考えます。個々の特性の程度やその組み合わせは無限にあるので、人の性格を詳細に表現できる半面、全体像が見えにくい、などと言われているようです。

ビッグファイブは特性論の一つで、その名の通り5つの特性を定義しています。文献によって名前が微妙に違っていたりしますが、この本に書かれている内容をご紹介します。

  1. 外向性
    外向性がある、というと社交的なイメージを持つかも知れませんが、ここで言う外向性は少し違います。外向性のスコアが高い人は、低い人に比べて日常生活の中で、喜び、欲望、熱中、興奮といった「ポジティブな情動」を示すことが多いのだそうです。ポジティブな情動が多いため、それを獲得するような行動に出やすい、ということですね。
  2. 神経質傾向
    これは名前のイメージが少々悪いですが、外向性と逆の考え方です。つまり、ネガティブな情動をどれだけ持ちやすいかを表しています。不安や恐怖はそれをあらかじめ察知して避けるためにあると言われますが、神経質傾向のスコアが高い人は低い人に比べてその警報装置のアラームの感度が強い、と考えられます。
  3. 誠実性
    これも名前のイメージとは少し異なるのですが、どれだけ衝動を抑制することができるか、を表しています。誠実性のスコアが高い人は、自分をコントロールすることに長けている人であり、低い人は衝動的で、気の向くまま、意志が弱い、などと言えそうです。
  4. 調和性
    どれだけ他者の心の状態に注意を払い、それによって自分の行動を決定するかを表します。つまり、どれだけ人に共感できるかということですね。このスコアとEQ(共感指数)は強く関連しているようです。
  5. 開放性
    最後の一つ、開放性についてははまだわかっていないことも多く、少しわかりにくいです。「経験への開放性」とも呼ばれ、あらゆる種類の文化的、芸術的活動にどれほど関わっているかを表すようです。また、連想の広がりの度合いを示したりもするようです。確かに、天才的な芸術家は普通の人にない発想力を持っていそうですよね。

ひとつ重要な点を補足したいと思います。これらの特性は、スコアが高い=良いというわけではないということです。スコアが高いなりのデメリットのようなものもあるので、単純に良い・悪いではなく個性と考えた方がよいと思います。

ところで、なぜこの5つなのでしょう?ビッグファイブの歴史は、辞書に書いてある「人の性格を表す言葉」を全て調べ、分類していくという地道な作業から始まったようです。それらをベースに、統計的な分析、研究の蓄積を経て整理・統合され最終的に5つの特性に落ち着いた、ということのようです。

面白いのは、この5つの特性に関連している脳の領域や神経分泌物質などが見つかり始めているという点です。そう遠くない将来、ある程度正確に、機械的に人の性格を測れる時代がやってくるかも知れませんね。

この本によると、人の性格を決めるのは約半分が遺伝、あとの半分が人生初期に受けた様々な影響であるとされています。そして、僕たちはそれをくつがえすことはできないようです。では、人が自分の嫌なところを変えたいと思い、また成長しようと努力するのは無駄なあがきなのでしょうか?この本にはそれに対する一つの回答が書いてあります。

個々の人間のもつ特異性は、3つのレベルから考えることができます。一つはこのビッグファイブの特性のスコア。二つめは特徴的行動パターン。そして三つめがパーソナル・ライフストーリー。一つめの特性に関しては、前述の通り後から変えることはできません。では、あとの二つは何でしょうか。

特徴的行動パターンとは、例えば「外向的である」という特性を持っていたとしても、その表れ方は個人によって違う、ということです。そして、その外向性をどのように表現するかは、ある程度選択することができます。そしてパーソナル・ライフストーリー。これはつまり自分をどう見るか、ということです。アイデンティティと言ってもいいですが、これについては僕たちは様々な方法で見直したり、作り直したりすることができます。

特性は変えられないとしても、その特性をどのように活かし、そして自分をどう定義するかは自分次第だということです。僕はこの考え方がとても気に入りました。人間の性格という身近なようでよくわかっていないものをわかりやすく解説してくれるこの本、それほど難しくないので興味のある方は是非読んでみてください!

潜在意識が答えを知っている!

今日は、マクスウェル・マルス 著の「潜在意識が答えを知っている!」をご紹介したいと思います。著者のマルス博士はもともとは形成外科医だったのですが、その後患者の心に興味を持ち、心理学、誘導ミサイルの技術から催眠術まで幅広い研究をし、原著を完成させたが1960年。既に博士は亡くなっているのですが、この本は半世紀にわたって3000万人以上の人に読まれたという名著です。

本書は、人間がいかに目標を達成するかというサイコ・サイバネティクス理論という科学理論について書かれた本です。しかし、内容は難解ではなく、一般の人が読んでもわかりやすいように書かれていると思います。

サイコ・サイバネティクスの理論によると、人間の心には潜在意識というものが存在します。顕在意識(※)と潜在意識。まるで二つの心があるかのようですが、著者によると潜在意識は心というより脳と神経系から成るメカニズムで、顕在意識によって「自動的」に作用し、その人を方向づけるものだそうです。

※ 僕たちが自分の意識だと自覚している意識のこと。

さて、潜在意識が自動的に作用すし、方向づけるとはどういうことでしょうか?顕在意識で一旦目標を設定すると、後は潜在意識が自動的にその目標を達成するためにその人を動かす、ということです。まるで誘導ミサイルのようですが、著者はその仕組みを知るために誘導ミサイルの技術を勉強したんでしょうね。

「自動的に」というところがポイントで、目標の設定を間違えると、誤った目標を達成しようとしてしまうわけです。つまり、成功イメージを目標として与えれば成功に向かっていきますが、失敗イメージを目標として与えてしまうと、どこまでも失敗を追いかけてしまうわけですね。

失敗イメージを目標にするなんてこと、あるはずがないと思うかも知れませんが、例えばとても大事な仕事に取り組んでいて、「失敗したらどうしよう」とばかり考えていたとすれば、意識が向くのは当然失敗イメージの方です。そうならないために、成功をイメージして、正しい方向に目標を設定してあげる必要があります。

目標設定についておもしろい記述があったのでご紹介します。

春に生まれたリスには、冬の経験がない。それでも、秋にはせっせと木の実を貯え、食糧が獲れない冬の間をしのぐ。渡り鳥も、巣作りや飛行を教わらない。
(中略)
にもかかわらず、寒い冬が訪れる時期、それに何千キロも離れた温暖な地の正確な場所を「知っている」のだ。
これを説明しようとするとき、私たちはたいて、動物には「本能」があるからだと口にする。この本能を分析していくと、動物が環境にうまく適応する仕組みを持っていることがわかる。いわば動物は「成功本能」をもっているわけだ。

なるほど、確かに本能のなせる技というのはすごいですね。ただ、動物はその目標を自ら定めることができないと著者は言います。一方人間は、もっと複雑な成功本能を持っています。何故なら、さまざまな目標を自ら生み出すことだできるからです。この成功本能のことを「創造的なイマジネーション」と呼びます。

ではどうすれば潜在意識の力をうまく使って目標を達成できるのでしょうか。そのための5つの基本原理をご紹介します。

  1. あなたに内蔵された成功メカニズムには、目標やターゲットがなければならない。
    目標がなければそこに向かうことはできません。目標やターゲットは「すでに存在している」ものとして思い描くこと。
  2. 自動成功メカニズムは間接的に作用する。
    目標をきちんと設定したのなら、そこに至る具体的な手段が現時点でわからなくても大丈夫。手段を提供するように機能する。
  3. 一時的な失敗や誤りを恐れない。
    どんな誘導装置も、一発で目標に到達することはありません。前進し、誤りを修正しながら軌道修正していくものです。
  4. どんな技能も、試行錯誤によって身につけることができる。
    失敗を修正しながら学習を続ければ、過去の誤りを忘れ、成功した反応を覚えて模倣することができるようになります。
  5. 自分のメカニズムがきちんと働くと信頼しなければならない。
    メカニズムは、自分が行動し、行動によって要求が出されて初めて働きます。保証が得られるのを待って行動するのではなく、保証があるかのように行動することです。

大事なのはイメージをどう持つかです。本書には上記以外にも、とても有用なヒントが散りばめられています。最後に、僕が好きな一節を引用しておきます。

不可能は単なる見解にすぎない

なんか勇気づけられますね。何か達成したい目標がある、という方にオススメの一冊です。是非読んでみてください。

あなたの人生には使命がある

今日は、アルフォンソ・リナーレス・フェルナンデス 著の「あなたの人生には使命がある」という本をご紹介したいと思います。あとがきによると、著者は南米ベネズエラに住むネット事業家で、プロの書き手ではないそうです。しかし、その主張はシンプルでとてもわかりやすく、とてもいい本に出会えたと思っています。

本書の最大の主張はタイトルに言い尽くされています。著者は、妹さんの死をきっかけに今までの人生を振り返り、自己探求の果てに「誰の人生にも使命がある」という考えてに至ったそうです。使命と聞くと漠然としていますが、「生きる目的」や「存在意義」と置き換えてもいいですね。

ではそれは一体どのようなものなのでしょうか。様々な考察を経て著者が出した結論はこうです。

人生に託された「使命」とは、「情熱」に駆られ、みずからの「才能」を生かし、世の中に最大限の「善」を施すこと。

著者の思考の過程は本書に詳しく解説されているので読んで頂ければいいのですが、この定義には本当に共感します。「情熱」+「才能」+「善」が使命だと言っているのですが、つまりはこういうことだと思います。

  1. 自分が情熱を持てることをやりなさい
  2. 自らが持つ才能を生かしなさい
  3. 世の中に対して貢献しなさい

どれか一つを満たすものが使命なのではなく、上記三つを全て満たすものが使命、つまり僕たちがやるべきことだということです。三つ全てを同時に考えるのはなかなか難しいので、それぞれ別々に考えていくといいと思います。

まずは自分がやりたいことについて。仕事を選ぶとき、「自分が何をやりたいのかわからない」という話を聞くことがあります。でもよくよく聞いていると、現実的な選択肢の中に自分のやりたいことがない、ってだけだったりします。この「現実的な選択肢」ってのが曲者で、制約を一旦無くすと、目を輝かせて好きなことを語り出したりするんですよね。

自分がやりたいこと、そのものずばりの仕事に就くのは難しいかも知れません。リスクを取って一歩踏み出す人もいますが、そんなリスクは取れない、という人も是非「自分はなぜそれがやりたいのか」を深く追求してみて欲しいと思います。

やりたいことの本質に気がつくと、その実現方法が一つではないことに気が付きます。つまり、自分がすぐ思いつく「仕事のリスト」から選ぶのではなく、自分がやりたいことに少しでも関わっていそうなことを探したり、作り出したりするという選択肢もあるということを覚えておくといいかも知れません。

次に才能について。僕たちは遺伝や育った環境の影響を受ける以上、個性ってやっぱりありますよね。その意味で不得意なことよりも得意なことをやった方がいい、というのはその通りだと思います。でも、才能を個性と考えれば、才能がない人なんていません。自分の才能をしっかり認識し、制限する方向ではなく、活かす方向で考えたいですね。

「何も特筆すべきスキルがない」という意味で「自分には何の才能もない」と言う人がいますが、それは自分の特性を把握していないか、それを活かす方法がまだ見つかっていないだけだと思いますよ。自分の武器は何なのか、棚卸して見ましょう!

そして最後に貢献です。貢献と言っても、ボランティアをやれということではありません。情熱と才能を使って誰の為に何をするのか?ということです。貢献というとちょっとハードルが高いですが、基本的には仕事をしていれば(ビジネスだけに限らず、家事だって育児だってそうです)誰かに何らかの形で役に立っていますよね。

ただ、ここで言いたいのは、自分の情熱と才能を最大限に活用し、「誰に」「何を」貢献するのかを意識すれば、さらに多くの貢献ができるのではないか、ということだと思います。人の欲求は突き詰めていくと貢献欲求になるとも言われています。確かに、誰かの役に立ったと思った時はとても気分がいいですよね。

才能を活かしてやりたいことをやり、その結果誰かの役に立つ。それを使命と呼ぶなら、僕は是非自分の使命を見つけて全うしたいと思います。僕の個人的な意見も沢山書いてしまいましたが、とてもよい本なのでオススメです!

オーダーメイド枕が届きました!

先日、注文していたオーダーメイド枕が届きました。

皆さんは枕、気にしていますか?枕が変わると眠れないという人もいるみたいですが、僕は今まであまり気にしたことがありませんでした。が、最近寝違えて首が回らなくなったり、肩こりがひどかったりしていたのを彼女が気にかけてくれていて、「良さそうなのを見つけた!」と紹介してくれたのが「山田朱織枕研究所」です。

整形外科の先生が開発した枕らしいのですが、最適な枕は人によってそれぞれ異なる、というのがコンセプトなので、必然的にオーダーメイドになります。購入するにはまず測定に行き、それから注文となるのですが、人気があるらしく測定の予約がなかなか取れないのだそうです。僕の場合は3カ月待ちくらいだったでしょうか?先月末に相模原まで測定に行き、先日ようやく届きました。今日の夜から使い始めます。

ホームページを見ると、枕調整が必要な5大症状として、「首の病気」「四十肩・五十肩」「骨粗しょう症」「頭痛」「不眠・無気力・うつ病」などが紹介されています。僕は頭痛持ちなのと、たまに不眠に悩まされることがあるので、どう改善するのか楽しみです!

さてこの枕。中を開けてみるとウレタンの薄い板状のものが何層にも積み重なっています。これを何枚、どのような順番でどう組み合わせるかによって、高さや柔らかさを調節するようですね。しばらく寝てみてやっぱり合わない、という場合はアフターサポートを受けることができるみたいです。高さ調節用のウレタンシートも一枚付いてきました。

測定はベットで実際に寝ながら、枕診断士の方と一緒に行います。高さを色々と変えながら、呼吸が苦しくないかとか、寝返りがスムーズに打てるか、などをチェックしていきます。僕は「寝返りがスムーズに打てているか」という感覚がよくわからず判断が難しかったので、診断士の方に良さそうな高さをお奨めしてもらいました。

ある程度この組み合わせかな?というのが決まったら、「では実際に15分ほど寝てみましょう」と言われます。「え、寝るの!?」って感じでしたが、言われるがまま15分ほど横になってみました。実際に寝てみないと合っているかわかりにくいので、寝た後で最終調整をするみたいです。僕はちょっと高すぎるような気がしてきたので少し低くしてもらいました。

ちなみに、枕を買わなくても座布団とタオルがあれば代用はできるみたいですよ。座布団の上にタオルを重ねて置き、横向きに寝た時に体と首が一直線になるようにタオルの高さを調節すればいいようです。

さて、この山田朱織枕研究所。東京の有楽町にも出張所ができたようですね。ただ、有楽町の方が値段が一万円以上高いので、時間のある方は相模原の方に行かれた方がいいと思います。ただ、予約しても結構待つと思いますので気長に待ちましょう。

価格は測定費と枕代で23,100円(税込)でした。決して安い金額ではないですが、一日の1/3くらいを睡眠に費やしている以上、その質は重要です。睡眠の質が上がれば、起きている時間もイキイキしてくるはず。そう思えば、安いものではないでしょうか。しばらく試してみて、またレポートしてみたいと思います。

ネイティブアメリカンの言葉(解釈編)

以前に「ネイティブアメリカンの言葉」という記事を書きました。Webで見つけた文章なのですが、今日はその文章を僕なりにどう解釈したかを書きたいと思います。

全ての人間は、生きる目的と進むべき方向を持っている。それは、私たちがこの世に生を受ける時、私たちの心に刻まれるものだ。

生まれる時から運命は決まっている、と取れなくもないですが、そのような運命論は「生まれた時から全て決まっているのなら努力しても無駄」という考えを生みやすいのであまり好きではありません。そうではなく、進みやすい方向というのが予め決まっている(才能、適正など)と解釈しました。僕たちは少なからず遺伝の影響を受けている以上、これは真実だと思います。

そして「生きる目的」についてですが、元々あるものなのか、それとも自分で創り出すのかはあまり重要ではないと考えています。僕個人はどちらかと言えば全人類に普遍的な目的などない(強いて言えば生存して遺伝子を残すという動物的な目的でしょうか)と思っています。でも本当に大事なのは、今自分が何のために生きているのかを自分なりに認識できているかどうかだと思います。

さらに、私たちはその目的や方向を見つけるための誘導装置へアクセスすることができる。私たちはその誘導装置を理解する必要がある。それは直観、内なる声、衝動、洞察力または感覚などとも呼ばれている。

生きる目的や方向などというタイソウなものは、そうそう見つかるものではないと思います。僕もまだまだボンヤリしています。日々色々なことに追われていると、そんな事を考える暇もなく毎日が過ぎていってしまいますよね。でも、自分と向き合って、この先どうなりたいのか、何をしたいのかをじっくり考えることも大事だと思います。その時に耳を傾ける、自分の内なる声のようなものを直観(ここで言う誘導装置)と呼ぶのではないかと思います。

ひとたび目的と方向を突きとめたなら、私たちは個性的なスキル、才能や能力を与えられる。そのために、毎日神と共に祈り、瞑想しなければならない。

僕は無宗教なので神様がいるのかどうかはよくわかりませんが、自分の進むべき方向性や生きる目的がもしはっきりとわかったなら、それはものすごい力を発揮できると思います。祈り、瞑想は前述の通り自己の対話、という風に解釈しています。

そして、僕が最も気に入っているフレーズが下記です。

強く、自信を持って生きるために、常に以下の3つの質問に答えられなくてはならない。

  • 何故私は存在しているのか?
  • 私は誰なのか?
  • 私は何処に向かっているのか?

もしこの3つの質問に答えられるなら、あなたは大丈夫だ!

まず一つ目。なぜ私は存在しているのか?これは自分の存在意義や生きる目的を問う質問です。使命やミッションと言ってもいいかも知れませんね。そして二つ目。私は誰なのか?これは自分が自分である所以、つまりアイデンティティのことです。最後。私は何処に向かっているのか?自分や自分の環境がこの先どうなっていくかの未来像、つまりビジョンのことだと思います。

纏めてみると、

  • 自分の存在意義(使命・ミッション)
  • アイデンティティ
  • ビジョン

がきちんとわかっていればあなたは大丈夫だよ!ということなのだと思います。ではどれも難問であるこれらの質問にどう答えればいいのでしょうか。

まず、アイデンティティを確立するということは、自分のことを語るストーリーを持っているということです。そのためには自分のことを良くわかっている必要がありますよね。アイデンティティが崩壊した状態で、存在意義や将来のビジョンなんて考えられません。というわけで、最初に固めるべきはアイデンティティな気がします。

次は存在意義かビジョンか。グロービス・マネジメント・スクールMBA用語集によれば、ビジョンとは『経営理念で規定された経営姿勢や存在意義に基づき、ある時点までに「こうなっていたい」と考える到達点』とあります。この定義ではビジネスに限っていますが、一般化して考えることもできます。もしビジョンが存在意義に基づくのだとしたら、存在意義を認識していない状態でビジョンを描くことはできません。

というわけで、僕はアイデンティティ→存在意義→ビジョン、という順に考えていけばいいと思っています。そうは言っても、それぞれ一朝一夕で答えが出るような問題ではありませんが、まずは「私は誰なのか?」に答えられるよう、自己分析や自己との対話から始めてみては如何でしょうか。

「アイデンティティ」「存在意義」「ビジョン」については、僕自身とても関心が深い分野なので、今後も関連したトピックをどんどん記事にしたいと思っています!

ソース・セルフ・スタディ・キット

以前のエントリで、「ソース―あなたの人生の源はワクワクすることにある。」という本を紹介しました。その時にも少し書きましたが、書籍の内容をさらに深めて教材にしたセルフ・スタディ・キットというものが存在します。僕はそちらの方もやってみましたので、今日はその感想を書いてみたいと思います。

セルフ・スタディ・キットは、CDによるガイダンスを聞きながらワークブックに書き込んでいくという形式で進んでいきます。ワークブックのページ数は(解説込みですが)250ページ程度、CDは本編が7枚。結構な分量があります。僕は結構頑張ってやって一週間程度かかりました。

一枚目のCDをセットしていざ始めようとすると、何やらスピーカーから眠くなりそうな声が聞こえてきます。ナビゲーションCDに入っている声は出版元であるVOICE出版の社長、喜多見龍一さんの声。何でも、オリジナル「ソース」の開発者であるマイク・マクマナスという人は既に亡くなっていて、その遺志を継いで日本バージョンを作ったのがこの人みたいです。

前置きはさておき、内容です。第1部は心構えなどの説明なのでサクサク進みます。心構えの中で強調されていたのは、とにかく自分のペースで構わないので楽しく続けること。つらくて気が進まなくなったらしばらく休むなりして、新しい気持ちでまた始めてくださいとのことでした。気が楽になった半面、そんなに大変なんだ…と覚悟を決めた瞬間でもありました。

ひとたび第2部に入ると、怒涛のようにワークが続きます。用意された質問に対して、自分の過去から未来まで思いを巡らせて、とにかく書いていきます。今まで深く考えたことがないようなことも平気で聞いてくるので、変な疲れ方をします。でも、裏を返せばそれだけ漫然と過ごしてきたということなので、いい刺激になります。

この質問攻めが終わると、そこからは書いたものをまとめていく作業。あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので書きませんが、この部分がこのプログラムの真骨頂だと思います。自分の中にある様々な要素をできるだけ沢山集めて、その中から大事なものを抽出し、精錬していくイメージでしょうか。最後に残るのは、自分が本当に価値を感じているものです。自分のことはよくわかっているつもりでしたが、改めて見せられることで多くの発見があります。それがまた、楽しくもあります。

自分が大事にしているものがわかったら、それを行動に繋げていくための行動計画を作ります。いくら価値観を明確にして、いい気分になったところで、行動が変わらなければ何も変わりませんよね。好きなことをどう生活に取り入れていくかを考えるのは、楽しいものです。ここで作った計画は、小さな一歩でも構わないので実行に移す覚悟を決めましょう。

第3部は、作った行動計画をどうやって実行に移していくかという解説で、読み物中心です。そして最後の第4部は、人間関係や仕事でどう活かすか、最後に纏めという構成です。

僕はこの教材をやってよかったと思います。自己啓発本は一時的な高揚感を提供してくれるが長続きしない、という指摘がありますが、僕はこれをやって以来色々なことを始めたり、挑戦するようになりました。このブログもその一つです。もちろんこの教材のおかげで人生がバラ色になった、なんてことはありませんが、自分を知り、自分についてよく考えるきっかけになったことは間違いありません。

ただ、これを人に奨めようとすると二つのハードルがあるんですよね。一つは、自己啓発というジャンルは人を選ぶということ。僕は特に抵抗ないですが、嫌いは人は嫌いですよね。そしてもう一つは結構大変なので気軽にお奨めできないということ。もしこの二つがクリアできるという方は、是非やってみてくださいね!

MI:個性を生かす多重知能の理論

今日ご紹介する本は、ハワード・ガードナー 著の「MI:個性を生かす多重知能の理論」です。過去のエントリでも「自分らしさ」、つまり個性のお話が出てきましたが、今日は個性を心理学・教育という観点から考えてみたいと思います。

この本はMI理論(Multiple Intelligences:多重知能)という理論を解説した本で、なかなか読みごたえのある本でした。というか、僕はかなり気合を入れないと読めませんでした。が、とてもおもしろいことが書いてあるので、ざっくりと僕なりに纏めてみます。

IQという言葉は有名ですよね。これは知能指数のことで、知能を測定する尺度です。IQが高い人は、知能が高いとされてきました。他にも、EQ(心の知能指数)、SQ(社会性の知能指数)等が一時期とても話題になりました。

本書の著者は、知能は一つではないと言います。

多くの心理学者が持っていて、われわれの言い回しのなかにもしっかり定着している信念、知能は単一の能力であり、全面的に「賢い」か「愚か」のどちらかである、という信念に挑戦したのである。

では、どんな知能が存在するのか。現時点では8つあります。「現時点で」というのは、まだ見つかっていない知能が今後見つかる可能性があるからだそうです。その8つを下記に紹介します。

  1. 言語的知能
    言葉に対する感受性、言語を学ぶ能力、言語を用いる能力
  2. 論理数学的知能
    問題を論理的・科学的に分析・究明したり、数学的操作をする能力
  3. 音楽的知能
    音楽の演奏や作曲、鑑賞のスキル
  4. 身体運動的知能
    体全体や身体部位を使う能力
  5. 空間的知能
    空間を認識する能力や、パターンについての能力(※)
    ※ 画家や彫刻家、建築家に重要な能力
  6. 対人的知能
    他人の意図や動機づけ、欲求を理解して他人とうまくやっていく能力
  7. 内省的知能
    自分自身を理解する能力
  8. 博物的知能
    様々なものを見分け、区別したり分類したりする能力

他にも候補はあるそうですが、現段階ではこれだけです。「知能」と見なすための条件も本書には記載してあるので、興味のある方は読んでみてください。

さて、これが一体何なのか?まず、人間にはこれだけの数の知能(能力、才能)が存在していて、それぞれの知能は、個人の遺伝的資質と環境によって生じるということ。そして、私たちの知能の組み合わせはそれぞれ独自である、ということ。つまり、この組み合わせが個性になるのでしょうね。

こういう話を聞くと、自分にどの知能がどれだけあるのか知りたくなりますが、それはなかなか難しそうです。これら全ての能力を簡単に測定することができないからです。また、評価できたとしても、この人は~が苦手だ、などのラベル付けをしてしまうリスクも指摘しています。

では、この理論をどんなことに活かせるのでしょうか。本書では、教育現場や企業などでMI理論をどう活かせるかが紹介されています。例えば教育。現在主流の教育方法は画一的な教育です。つまり、全ての個人は同じように扱われるべきだ、という考え方です。しかし、一旦個性を認めると、これは公平なようで公平ではありません。これを解決する方法として、「個人ごとに設計された教育」の可能性を示唆しています。

また、企業でも同じようなことが言えます。従業員には個性があり、部署・役職によって求められる能力も違う。であれば、従業員それぞれの個性をきちんと把握し、能力をどう活かすか、どう伸ばすか考えることは有益なはずです。

なんとなく言いたいことは伝わったでしょうか。もしもっと掘り下げて読んでみたい、という方は是非読んでみてください。