生産性 – マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

今日は、伊賀泰代 著の「生産性」について書きたいと思います。著者はマッキンゼーというコンサルティング会社にてコンサルタント・人事部門のマネージャーとして17年勤務された方。本書はタイトル通り「生産性」について書かれた本ですが、「組織全体の生産性を上げるためにはどのように人を育成すればよいか」という内容が中心になっています。

日本人の生産性の低さについては前回の記事でも言及しましたが、今後マネジメントや人材育成の観点において「生産性」というキーワードが重要視されることが予想されます。その点、この本には社員の生産性を高めるための施策のヒントが散りばめられているので、特に人材育成の仕事をされている方にとっては、必読といってもいいんじゃないでしょうか。

もちろん、純粋に「生産性」というテーマに興味がある僕のような方にも有益だと思います。特になるほどと思ったのは、第1章の「生産性向上のための四つのアプローチ」の部分です。

まず、生産性の定義を

「成果物」と、その成果物を獲得するために「投入された資源量」の比率として計算されます。「アウトプット」÷「インプット」といってもよいでしょう。

とした上で、生産性を上げるための方法として

ひとつは成果額(分子)を大きくすること、そしてもうひとつが、投入資源量(分母)を少なくすることです。

と2つのアプローチを提示しています。ここまでは当たり前の話なんですが、筆者はさらに、イノベーション(革新)とインプルーブメント(改善)という概念を付け加えています。結果として、生産性を上げるためのアプローチは計4つになります。

  1. 改善による投入資源の削減
  2. 革新による投入資源の削減
  3. 改善による付加価値額の増加
  4. 革新による付加価値額の増加

ちなみに改善というのは、無駄を減らしたり効率化したりといった、いわゆるマイナーチェンジのこと。対して革新というのは新技術の採用や仕組みの再構築など、以前とは決定的に異なるメジャーな変更のことです。

この4つのアプローチの何が素晴らしいと思ったかというと、漠然と生産性を上げるにはどうしたらいいか?と考えるよりも、新しく軸を追加することでより詳細に、具体的に考えるためのフレームワークにしているというところです。MECEになっているし、とてもコンサルっぽい考え方ですね。

個人的には、「生産性」という言葉と「効率化」という言葉のニュアンスの違いをうまく説明するにはどうしたらいいのかなと考えていたところ、この分類を見てとてもすっきりしました。

2章ではイノベーションと生産性の関係について整理しており、これもとても参考になりました。

3章以降は評価、育成、マネジメント、研修、資料の作り方や会議の進め方まで、様々な状況における生産性向上の考え方が紹介されています。特に人事に関わっている方は、評価・(研修も含めた)人材育成において「生産性」を意識するとどうなるのかという意味で、とても参考になるのではないかと思います。

資料作成や会議の進め方に関しては、コンサルティグ会社にいれば割と誰でも意識していることだと思いますが、マッキンゼーではこうやってるんだ、という意味で参考になりました。

というわけで、人事に関わっている方や「生産性」というキーワードをより深く理解したいという方にはおすすめの本だと思います。是非読んでみて下さい!

新・所得倍増論

今日は、デービッド・アトキンソン 著の「新・所得倍増論」について書きたいと思います。著者はイギリス人の元金融アナリストで、現在は日本の重要文化財などの補修を行う会社の社長さんです。この本のテーマは、「日本の生産性の低さ」です。と言っても、別に日本をこき下ろす内容の本ではなく、データを元に分析を行い、対策を打つことで日本人の所得を倍増させることができるのではないかという提言です。

この本は本日時点でアマゾンの経済学カテゴリでベストセラーになっています。僕も最近「生産性」というテーマに興味があり読んでみたのですが、今の日本経済が置かれている状況を理解するための本として非常におすすめできる内容でした。

日本人は生産性が低い?

日本人は仕事の生産性が低い。最近色々なところでこうした話を聞くことがありますが、その議論の元になっているデータは、GDP(国内総生産)です。GDPとは「一定期間内に国内で生み出された付加価値の総額」(Wikipedia)のことですが、このGDPは各国の経済状況を示す指標としてよく使われます。現在の日本のGDPランクはアメリカ・中国に次いで第3位です。

これだけ見ると、世界第3位の経済大国なのに生産性低いってどういうこと?となるのですが、実はGDPというのは価値の総額なので人口が考慮されていません。そこで、GDPを人口で割った国民一人当たりGDPを見てみると、何と日本は先進国の中で最下位になってしまいます。

GDP = 生産性 × 人口

日本と言うと、国土が狭くアメリカや中国やインドに比べると人口が少ないというイメージかも知れませんが、先進国の中ではアメリカに次いで第2位です。つまり、日本のGDPが高いのは、日本の人口が多いせいであって、生産性を表す一人当たりのGDPは低い、ということになります。日本は教育水準も高く、労働者に占める高スキルな人材の割合が世界一とも言われています。なのに、そのポテンシャルが活かせていないというわけですね。

この話に対する反応は様々だと思いますが、僕はあまり違和感なく受け入れることができました。今までコンサルティングの仕事をしてきた中で様々な職場を見てきましたが、仕事の生産性を上げるためにやり方をどんどん改善するという文化が定着している職場にはあまりお目にかかったことがありません。むしろ、仕事のやり方を変えましょうという提案に対してはまず拒否反応が返ってくることが多いです。

上記は日本に限った話ではないのかも知れませんが、他にも会議を含めた労働時間が無駄に長かったり、意思決定にやたらと時間がかかるというのはよく言われていることですよね。

さらに、この本で「日本はITを活用した生産性の改善に失敗している」という記述があるのですが、それはまさに僕がITコンサルティングの仕事をしていて感じていることでもあります。どういうことかと言うと、日本でシステムを導入しましょうとなると、既存の業務のやり方に合わせてシステムをカスタマイズしがちなのです。しかし、それをやってしまうと単なる自動化にしかならないばかりか、独自要件によりシステムもどんどん複雑になってしまいます。

本来システムを導入する際には、同時に業務プロセスの見直しもやるべきなのです。が、前述の通りプロセス改善に着手しようとした途端に現場の強い反発があります。このあたりはSI会社の腕の見せどころとも言えるわけですが、どうも「言われた通りに作っておけば良い」、という風潮が多く見られる気がします。

生産性を上げるのは経営者の責任?

著者は、日本人の生産性が低いのは経営者が生産性改善のための施策を打ってこなかったからだと主張しています。ある企業の生産性(一人当たりの利益)が低かったとして、その責任は経営サイドにあるだろうというのはもちろん理解できます。その場合、施策としては生産性を改善するようなマネジメントをトップダウンで実施していくことになるのだと思います。

しかし、僕はそれだけではどうも不十分な気がしています。責任を負うのは経営サイドだとしても、結局は一人ひとりの社員が生産性を上げなくてはいけません。個々人が仕事に対する認識を変える必要がありますし、スキルアップする必要もあるでしょう。そして、「日本人の生産性を上げる」という意味では、それは一つの企業に閉じた話ではありません。社会全体で生産性を上げていこうという流れが必要だと思います。

よくぞ言ってくれた

少し本の内容からずれてしまったので戻します。この本を読み終わった時の感想は、「よくぞ言ってくれた!」です。イギリス人である著者が、批判を覚悟でデータに基づいた客観的な指摘をしてくれています。しかも、本書の根底にあるメッセージは「日本人の潜在能力はこんなものじゃない、だから頑張ろう!」です。厳しく鋭い指摘ですが、日本への愛情を感じます。非常にありがたい話だと思います。

日本と言えば技術力が高いだとか、モノづくり大国だとか何となくのイメージで語ってしまうことが多いですが、例えば下記の指摘などは、確かに、と思わされました。

トヨタなどの一部製造業の生産性の高さを示すデータはいくらでも存在しますが、日本経済全体の生産性の高さを証明するデータはなく、むしろ低さをあらわすデータが多いです。トヨタなどの「カイゼン」の印象があまりにも強いため、他の日本企業もトヨタ同様に生産性が高いに違いないという「思い込み」を生み出してしまっている可能性があるのです。

とは言え、この本の内容を無批判に受け入れるべきだと言っているのではなく、読み手としては一旦受け入れて考えてみるという態度が必要なのだと思います。

というわけで、この本は経営者の方には特におすすめですが、そうでなくとも「日本人の仕事のやり方」を客観的に捉え直すという意味では仕事をしている全ての方におすすめできる内容だと思います。興味がある方は是非読んでみて下さい!

WithingsとFitbitでつくる!全自動健康管理システム

ダイエットのために体重や日々の活動量を管理できる仕組みが欲しかったので構築してみました。ダイエットをするためには体重計があった方が良くて、さらに毎日の体重を記録して分析できると尚良いと思います。それに加えて、どれだけ運動したのかもわかれば後から体重の増減を分析するのに役に立つと思います。

僕は以前購入したオムロンのカラダスキャン HBF-208ITという製品を使っており、体重や体脂肪のデータをWebにアップして後から見れたり、月次でレポートを出してくれたりとなかなか重宝していたのですが、いくつか不満点もありました。

 

  • 計測した体重は一旦本体に保存されるのですが、それをWebにアップするためにはスマホのおサイフケータイをかざす必要がありました。しかし、そのデータ転送がよくエラーになったり、そもそもいちいちスマホをかざすのが意外と面倒。さらに、本体に保存できる件数が決まっているため、しばらく溜めると消えてしまったりして困ります。
  • オムロンが出していた「朝晩ダイエット」というアプリがとても良かったのですが、これが提供終了になってしまいました。どうやらオムロン自体は健康データ管理のサービスからは撤退しそうな気配なので、今後も長く使っていくには少々不安でした。
  • 他のフィットネス系のWebサービスと連携が取りにくいため、データの一元管理がしにくいというのも気になりました。

僕はガジェットが大好きなので、ダイエットのモチベーションを上げるためにも体重計と活動量計を新たに購入することにしました。

体重計選び

体重計と言えばタニタかオムロンが有名です。オムロンは前述の通り不満があったのでタニタにしようかと思ったのですが、機器の精度は良さそうなものの、他サービスとの連携はできなさそうな模様。引き続き調べていると、Withings(ウィジングス)というフランスの会社が作っている体重計の評判が良いということがわかりました。この体重計が良いのは、一旦Wifiの設定をしてしまえば後は乗るだけで勝手にデータをWebにアップしてくれること。電源ボタンを押す必要すらありません。本当に乗るだけ。さらに、他サービスとの連携もできそう。

いくつかモデルがあってよくわからなかったのですが、こちらの比較表が参考になりました。筋肉量は計測したかったので「Body」か「Body Cardio」になるのですが、別に体重計で心拍が測れなくてもいいかなというのと、価格が1万円近く違ったため「Body」にしました。

活動量計選び

活動量計で有名なのは、FitbitやJawbone、Garminあたりでしょうか。Jawboneは以前に初代のUPという製品を使ったことがあるのですが、あまりいい印象がないのと、ネット上のレビューで酷評されていたのを見てパス。Garminの場合は自転車乗りには嬉しい、心拍計をサイクルコンピューターと連携できるというメリットがあったのですが、心拍計は既にあるし、GarminのWebサービスは個人的にいまいち使いにくいのでやはりパス。他サービスとの連携等を考えると、一番メジャーそうなFitbitを選んでおくのが無難かなということで、Fitbitを選びました。

ちなみに上記のWithingsも腕時計型の活動量計を出していて、特にデザインが秀逸だったので欲しかったのですが、僕が欲しかったモデルは5万以上はしたのでちょっと高すぎるかな?と思い断念しました。

 

さて、Fitbitの活動量計も種類が沢山あって迷いましたが、シンプルな活動量計で心拍計は必要ないとした場合には、「Flex2」か「Alta」のどちらかになるでしょうか。最初はよりリーズナブルでシンプルな「Flex2」にしようと思っていたのですが、デザイン的に「Alta」の方が気に入ったのでそちらを購入しました。

 

ちなみに、活動量計をFitbitにするなら体重計もFitbitにすれば良かったのかも知れませんが、Fitbitの体重計はまだ日本で正式に発売されていなかったようなのでやめておきました。結果的にWithingsで何の問題もなかったので正解でした。

全てのデータをFitbitに集める

Withingsの体重計にしてもFitbitにしても専用のアプリがあり、計測データはそこから閲覧することができます。が、できれば一つのアプリで一元管理したいところ。Withingsの計測データはFitbitに連携できるので、それが可能です。WithingsとFitbitの連携はこちらから。

あと、嬉しい誤算だったのですがGarminのサイクルコンピューターで計測したデータも、StravaというWebサービス経由でFitbitに連携できるため、僕が欲しいデータは全てFitbitに集約できることがわかりました。StravaとFitbitの連携はこちらから。

これでとりあえず、毎日体重計に乗って、活動量計を腕につけさえすれば必要なデータはFitbitに集まってきます。自転車に乗った場合も、勝手にライドデータがFitbitに反映されます。うん、素晴らしい。しばらくはこれで運用してみたいと思います!

成功するためのダイエット戦略について考えてみる その2

今日は、昨日に引き続きダイエットのやり方を考えていきます。昨日の考察で出てきたポイントを纏めると、次のようになるでしょうか。

  • 運動を主体にする
  • 無理をし過ぎない
  • 継続のしやすさを工夫する

これらを具体的なやり方に落としていきたいと思います。が、その前に。ダイエットをする上で絶対知っておいた方がいい基礎知識があるので、それを共有しておきたいと思います。

ダイエットの基本

昨日の記事にも書きましたが、ダイエットの基本は摂取したより多くのカロリーを消費する状況を作ること。よく考えてみれば当たり前のことなんですけどね。さて、だとするとダイエットをするためには、摂取カロリーを減らすか消費カロリーを増やすかのどちらかをしなければなりません。

例えば、ダイエットするために食べる量を減らす、あるいは食事を抜く。これは摂取カロリーを減らすアプローチです。一方で、走る、運動する、というのは消費カロリーを増やすアプローチ。世の中にダイエット法は星の数ほどありますが、基本的にはこのどちらかに分類できるんじゃないでしょうか。

ダイエット法は自分のやりやすいものを選べばいいんですが、やり方次第では「太りやすい体」にも「太りにくい体」にもなり得るというのがここで伝えたいことです。「太りやすい体」とか「太りにくい体」というのは、体がどれだけカロリーを効率よく消費できるかということ。そこで鍵を握っているのが筋肉です。ざっくり言うと筋肉が多ければそれだけカロリーを多く消費できる、ということになります。

特に気をつけなければいけないのは、過度な食事制限です。摂取カロリーが極端に減ると、体は生命維持のために消費カロリーを抑える方向に調整を行うので、その状態では以前よりも「太りやすい体」になってしまいます。そればかりか、体を壊すことにもなりかねません。

なるべく簡単に説明するために色々と端折っていますが、つまり適度に食べて運動をし、筋肉をつけてカロリーの消費効率を上げましょう、というのが僕の結論です。

ダイエットのやり方

では、今までの考察を踏まえてやり方を考えていきます。

  • 筋トレと有酸素運動
    効率よく脂肪を燃やすために、筋トレをやる。ただし、前回の反省を踏まえて無理はしないように。有酸素運動についても、いきなりハードに走ると膝を痛めたりするのでウォーキングなど軽い運動から始める。筋トレをした後に有酸素運動をすると脂肪燃焼効果が上がるらしいのでそれを考慮したメニューを組む。
    →朝に簡単な筋トレとウォーキング1時間を週6日を目標に実施することにしました。
  • 体重と活動量を毎日計測する
    傾向を把握しておく必要があるため、それとモチベーション維持のために体重と活動量などのデータを毎日取得し、記録しておく。ただし、面倒だと続かなくなるので極力手間をかけない。
    →Withingsの体重計とFitbitの活動量計を購入して健康管理を行うようにしました。
  • 食事はあまり気にしないが、多少気をつける
    食べるのが生きがいなので、あまり気にしない。
    →前回の経験では毎日体重と活動量をチェックしていると、精神的なブレーキがかかってそれほど大食いはしなくなるはず。一応ご飯の大盛りなど、炭水化物は取りすぎないようにします。あとはタンパク質をきちんと取るため、筋トレ後には大豆プロテインを飲むことにします。

というわけで、とりあえず当面はこのやり方でダイエットをしてみたいと思います。筋トレや有酸素運動の内容については体の変化を見ながら調整していきます。経過については記事を書いてご紹介したいと思いますのでお楽しみに!

成功するためのダイエット戦略について考えてみる その1

今年の目標の1つに、ダイエットを掲げました。どうせやるからには成功させたい。ということで、どうすればダイエットが成功するかについて考えてみたいと思います。

その前に僕の健康状態について少しお話ししたいと思います。身長179cm、体重88kg。BMIを計算すると、27.46。はい、立派に肥満です。標準体重が約70.5kgなので、18kgほど減量する必要があります。

実は以前にもダイエットをしたことがあり、その時は1年くらいで85kgから70kgへの減量に成功しました。ジムでの筋トレ&有酸素運動を週に3〜4回ほど、後はあまり食べ過ぎないように気をつけていたくらいでしょうか。ただ、筋トレ中に筋を痛めてしまったのをきっかけにジムに行かなくなってしまい、痩せたのと同じくらいの時間をかけてじわじわと元の体重に戻ってしまいました。少しくらい太っても、また痩せればいいかと甘く見ていた部分も大いにあると思います。

という経緯で、見事に前回のダイエット前よりも肥えてしまったわけですが、今年の正月に久しぶりに体重計に乗ってみたら衝撃の88kg。こんな数字は見たことがなかったので、これはまずいということで今年はまたダイエットをすることにしました。

何故ダイエットをするのか

前回の経験上、ダイエットというのは簡単なものではありません。途中何度も挫けそうになることを考えると、目的をはっきりさせておいた方が良さそうです。僕の場合は、次のようになるでしょうか。

  • 見た目
    特に腹と顔がパンパンで、鏡を見るために凹みます。冬場はまだいいですが、夏場はTシャツ1枚で外に出るのが躊躇われる。自分の見た目が好きになれない状況では、自己肯定感が著しく低下するような気がします。
  • 健康
    太り過ぎという状態は健康にいいはずがありません。僕ももうアラフォーなので健康のために痩せたいと思います。特に子供が小さいですし、まだまだやりたいこと沢山あるので、今ぽっくり死ぬわけにはいきません!
  • 体力のなさ
    とにかく体が重い。階段を登っただけでハァハァ言うし、買い物してきただけなのに筋肉痛になったり。これでは情けないので、単に痩せるだけではなく、鍛えたい。

前回と今回で大きく違うところは、子供が生まれたということでしょうね。健康への意識が強くなりましたし、子供が大きくなるに連れ父親には体力が求められると思うと、何とかしなければという思いが強くなります。さて、目的がある程度はっきりしたところで、前回のダイエットを振り返ってみます。良かったところは継続するし、反省点は改善していきます。

良かった点

  • 食べ物の制限ではなく、運動を主体にしたこと
    詳しくは別の記事で書きたいと思いますが、ダイエットの考え方というのはとてもシンプルです。摂取カロリーが消費カロリーを下回っていれば、痩せる。基本はこれだけ。アプローチとしては摂取カロリーを減らすことをメインにするのか、消費カロリーを増やすことをメインにするのかの二通りになるかと思います。僕は前回「消費カロリーを増やす」方針で行きました。これが自分には合っていたんだと思います。
  • 日々の進捗を記録したこと
    ダイエットをやっていると、方向性はこれでいいんだろうか?とか、結果はちゃんと出ているだろうか?と不安になることがあります。なので、記録をしっかり取って成果が目に見える形で確認できるようにしました。これには、朝晩ダイエットというアプリが大活躍しました。ただし、このアプリは2017年1月現在、提供が終了してしまっているので何かしら代替案を考えなければいけません。

改善点

  • 無理をし過ぎた
    ジムに通わなくなってしまったきっかけは、筋トレで無理をしすぎて背筋を痛めてしまったからです。筋トレをしだすとついついウエイトを重くしたくなるのですが、それで身体を壊してしまっては元も子もない、ということを今回は肝に命じたいと思います。
  • 継続しやすさについて考えられていなかった
    きっかけは故障でしたが、今から振り返ってみると日々の生活時間の中でダイエットが占める割合が多く、結構負担になっていたんだと思います。今回はできるだけ負担を減らしながら、継続できる仕組みを考えたいと思います。

目的と前回の振り返りをしたところで、今日はここまで。次回はいよいよ具体的なやり方を考えていきます!

2017年に実現したいこと

気がつけば年が明けてから半月が経ってしまいました。年をとるにつれ、どんどん時間が流れるスピードが早くなっているように感じる今日この頃です。さて、今年は長らく放置していたブログを再開しようと思っています。また、それ以外にも2017年に実現したいことが沢山あるので、忘れないうちに書いておきたいと思います。今年が終わったタイミングで、どれだけのことが実現できているのかはわかりませんが、頑張りたいと思います。

プライベート

  • ブログを継続して書く
    今年は、文章を書くことに継続的に取り組みたい。やはり文章は書き続けないと上手くならないと思います。そういう意味では別にブログにこだわる必要はないのですが、誰かに読まれることを前提に書くのも大事かなと思っています。
    前回は主に読んだ本のまとめや考察なんかをブログに書いていたんですが、一つの記事を書くのに時間をかけすぎて、書くことがどんどん億劫になってしまい続きませんでした。今回はその反省を踏まえ、どうすれば続けられるかを考えながら取り組みたいと思います。
  • ダイエット
    正月明けに久しぶりに体重計に乗ったところ、人生最大体重を叩き出してしまったため、今年はダイエットがマストです。
    実は2、3年ほど前にもダイエットをしたことがあり、その時には約15kgの減量に成功しました。が、筋トレの際に怪我をしてしまったのをきっかけに運動をしなくなり、結局1年かけて元の体重にリバウンドしてしまいました。やはりダイエットに関しても前回の反省を踏まえて戦略的に取り組みたいと思います。
  • 趣味の時間を増やす
    実は僕はかなり好奇心が旺盛な方でして、色々とやってみたいことが沢山あります。が、どうしても仕事を優先してしまったり、非生産的な時間の使い方をしてしまったりで趣味に使える時間がどんどん少なくなってしまっています。空いた時間を趣味に使おうと思っていても、なんとなく過ごしていると他の事が優先されてしまう。なので、趣味に関しても計画的に予定に取り入れていく必要があるなと考えています。

仕事

  • 仕事の仕方を変える
    仕事をしていると、作業が深夜に及ぶことが多々あります。というか、ほぼ毎日0時過ぎまで会社にいます。納期が迫っている状況ではしょうがないにしても、このような生活が日常になっているのはどうかなと思い始めました。思い返せば、長時間仕事をしていても、常に高い生産性をキープできているわけじゃないんですよね。無駄な時間の使い方も沢山している。「生産性を上げる」、今年のテーマはこれで行きたいと思います。
  • ストックビジネスを立ち上げる
    僕の仕事はコンサルティングやWeb制作、システム構築などです。こういう仕事は基本的には工数商売なので、何時間稼働したかによって売上が決まります。それはそれで別にいいんですが、当然稼働がない時期は収入はゼロだし、人の時間は限られているので収入を上げるのにも限界があります。止まったら死ぬ魚みたいなもんです。これに対して、仕組みを作って継続的にお金を稼ぐというビジネスがあります。今年は是非そちらのビジネスを立ち上げたい。
  • 新しい技術を学ぶ
    IT業界にいると思うのが、技術の進歩の速さ。常にキャッチアップし続けていかないとスキルや知識がすぐに陳腐化していってしまいます。しかも、昨今はその傾向が更に加速していますし、新しい技術がもたらす影響範囲も広がっています。例えば今騒がれている人工知能、これは人の生活を一変させてしまうくらいのインパクトがあると思います。なので、IT業界で食っていくなら新しい技術へのキャッチアップは必須。今までもやってきていることですが、今年は今まで以上に新しいものを積極的に学んでいきたいと思います。

というわけで、合計6つの目標を立ててみました。はてさて、今年の年末にはどうなっているでしょうか。楽しみです。

パターン・ランゲージの勉強会を開催しました

ここ最近、めっきりパターン・ランゲージにはまっております。先日のDevelopers Summit 2014にて「プレゼンテーション・パターン」のワークショップに参加し、とてもよい刺激を頂いたので、早速プチ勉強会&ワークショップを開催してみました。

勉強会は、パターン・ランゲージの説明(資料はこちら)を簡単に行った後、その効果を実際に体感してみよう、ということで井庭研究室で作られた「コラボレーション・パターン」を題材に対話のワークショップをやってみる、という流れで行いました。限られた時間だったので書かれていたすべてのパターンを網羅することはできませんでしたが、とても盛り上がったのでその様子や感想などを書きたいと思います。

先日僕がDevelopers Summitで体験してきた対話のワークショップは、以下のようなものでした。

  • プレゼンテーション・パターンの中から、自分が経験したことがあるものをチェック。具体的な体験談を思い浮かべる。
  • 次に、自分が経験したことがないパターンの中から、取り入れてみたい!と思うものを選ぶ。
  • ワークショップが始まったらひたすら知らない人に話しかけて、自分がこれから取り入れたいパターンを既に体験している人から体験談を聞く。
  • 逆に、相手が取り入れたいと思っているパターンを自分が体験していたら、その話を相手にしてあげる。
  • これを繰り返す。

今回は人数や状況が異なるので、以下のようにアレンジしてみました。

  • いきなり体験談の語りに入るのではなく、一つ一つのパターンを皆で読み合わせし、そのパターンが言おうとしていることを少し話し合った上で、体験談を語るようにしました。こうすることで、パターンの理解や想起がしやすくなり、体験談が掘り起こされやすくなったかなと思います。
  • 今回は4人という少人数で行ったということもあり、全てのパターンについて体験談が出てこない可能性が高いと考えました。そのため、体験談だけでなく、失敗談や類似の体験、感想など、思ったことは何でも発言するようにしてみました。結果色々な方向に話が発展し、とても盛り上がりました!
  • 井庭先生のワークショップでは、知人とは話す機会を作りやすいのでなるべく知らない人と話しましょう、ということでしたが、今回は必然的に知人のみでした。実は知人とやるメリットというのもあり、自分が気づいていない体験を他の人から指摘してもらえる、ということが起こりました。

少人数でのバリエーションでも十分盛り上がることができたので、興味のある方は是非やってみてください!ただ、ディスカッションの時間がそれなりに必要になるので、34個のパターンを全て話し終わるには最低2~3時間は必要かな、と思います。いくつかフィードバックもあったので、それも書いておきますね。

  • 面白かった!
  • 他にもパターン・ランゲージの使い道はありそうなので、色々と考えてみたい
  • 仕事のナレッジを共有したり、業務標準化をする際の「まとめ方」として使えそう
  • パターンの一つひとつはそんなに目新しくはないけれど、体系的にまとまっていることに価値がある
  • さらに具体的な解決策が知りたくなる

色々と出てきましたが、少なくともパターン・ランゲージが持っている「認識のメガネ」「コミュニケーションの語彙」という働きに関しては、十分体感していただけたかな、と思います。次のステップでは、パターン・ランゲージを実際に作ってみるという勉強会をやってみたいと思います。

今回の勉強会用に作成したパターン・ランゲージの説明資料は、こちらからダウンロードできます。資料作成といっても、井庭先生のiTunesUでの授業をはじめ、関連する著作等を自分なりにまとめ直しただけですが…。まだまだ情報が少ない中、貴重な情報を積極的に発信して下さっている識者の皆様に、本当にありがとうございます!

パターン・ランゲージ リソース集

昨日の記事でパターン・ランゲージについて軽く触れました。僕は情報アーキテクチャ(IA)について調べている際にパターン・ランゲージというものを知り、とても可能性を感じたことがきっかけで勉強を始めました。現時点ではまだ情報源がそれほど多いわけではないので、自分用の備忘録も兼ねてパターン・ランゲージに関するリソースを纏めておきます。

Webサイト

組織・団体

動画教材(iTunes U)

書籍(クリストファー・アレグザンダー)

書籍(井庭崇)

書籍(その他の参考書籍)

このリソース集については、随時更新していくつもりです。パターン・ランゲージに興味がある方は是非参考にしてみてください。また、ここに挙がってないけどいい情報があるよ!という方は教えていただけると嬉しいです。

Developers Summit 2014に行ってきました

先週の木曜日(2/13)、目黒雅叙園で行われた「Developers Summit 2014」に参加してきました。Developers Summitというのは、ソフトウェア開発者を中心に、相互に知識やスキルを伝達し合うコミュニティーイベント、とのことです。2003年に始まって以来、もう10年以上経ってるのですね、素晴らしい。

Developers Summit

僕も一応Developerのはしくれではあるんですが、今回は技術系のセッションではなく、井庭崇先生の「プレゼンテーション・パターン・ワークショップ」というセッションに参加するのが目的でした。このワークショップは、井庭さんが作成された「プレゼンテーション・パターン」というものを使って参加者同士で対話を行い、お互いの経験を共有する、というものです。僕はこういったワークショップの存在は知っていたのですが、是非自分でも体験してみたいと思い、今回参加することにしました。

プレゼンテーション・パターンというのは、創造的なプレゼンテーションをするためのコツやポイントを「パターン・ランゲージ」という形でまとめたものです。ここでパターン・ランゲージそのものの説明をしだすと長くなりそうなので別の機会に譲りますが、簡単に言えばどうすればただ伝えるだけではなく、聴いた人が創造的になれるようなプレゼンテーションをすることができるのか、というコツ(パターン)が34個書かれたものです。書籍も出てます!

このワークショップは、次のような流れで行われます。

  • プレゼンテーション・パターンの中から、自分が経験したことがあるものをチェック。具体的な体験談を思い浮かべる。
  • 次に、自分が経験したことがないパターンの中から、取り入れてみたい!と思うものを選ぶ。
  • ワークショップが始まったらひたすら知らない人に話しかけて、自分がこれから取り入れたいパターンを既に体験している人から体験談を聞く。
  • 逆に、相手が取り入れたいと思っているパターンを自分が体験していたら、その話を相手にしてあげる。
  • これを繰り返す。

非常にシンプルなんですが、とてもよくできた仕組みだと思いました。何の媒体もなしにただ「お互いの体験を話し合ってください!」だとなかなか漠然として話しづらいですし、どうしても自分の体験なんて大したことないと思いがちです。そこに「パターン」という媒体があることで、見知らぬ人とでも共通の話題があるし、何より相手が自分の体験を聞きたがってくれるので、とても話しやすい雰囲気になります。

パターンを介して自分の経験を掘り起こし、語り合うことができるのは、パターン・ランゲージが「認知のメガネ」「コミュニケーションの語彙」として働くからなのですが、実際にやってみて難しかったのは「認知のメガネ」の方、つまり自分の経験を掘り起こす作業です。

人はモノを認識する際に概念というフィルタを通して見ているため、特に形のないモノ、例えば経験などを何の力も借りずに認識するのはなかなか難しいですね。でも、そこにパターンという形で概念と言葉を与えてあげることで、認識しやすくする、というのが「認知のメガネ」ということなのですが、認知のメガネをかけたらすぐに体験が掘り起こせるようになるか、というとなかなかそういうわけにもいかなそうです。そのメガネを通してモノを見る訓練をある程度する必要がありそうですね。普段このワークショップをやる際は、参加者が事前にパターンを読んできて、その上で語り合うという形をとることが多いそうなのですが、なるほど納得でした。

一方で、言葉を与える、つまりコミュニケーションの語彙としての機能は、即効性がありました。漠然としたものをお互いに話し合うとなかなか地に足のついた議論にならないことが多いのですが、コツのようなものが言葉として定義してあることで、格段に話しやすくなることを実感することができました。

今回のワークショップはそれほど時間もなかったので、数人の方とお話させていただいているうちにすぐ終わってしまったのですが、かなり楽しかったです!井庭先生いわく、大人数でやっても、少人数でじっくりやっても盛り上がるということなので、早速自社でも取り入れてみようと思いました。

講演に使われた井庭先生のスライドがslideshareで公開されていたので、リンクしておきます。興味のある方は、見てみてくださいね!